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2024/04/20 10:41 |
道2

 

結局昨夜は寝られなかった。
考えれば考えるほど悲しくなり、正直頭の中が真っ白な状態だ。

朝っぱらからロウテンション。
もちろんテンションを上げることなんて出来るわけが無い。
昨日あんなことがあって帰ってきて少し反省していた。
ハルヒをほったらかしにして帰ってきてしまったんだよな・・・
そりゃ悪いとは思ってる。あいつかなりアルコール入ってたし相当キツイだろうな・・・
もしかしてあのバカ、風呂入ってる途中に寝てたりしてないよな?

携帯片手にベットに寝転んでいた。
電話帳の中のハルヒの電話番号を開いたまま携帯は停止していた。
正直ハルヒと話したい。 昨日あいつと話してて楽しかった。
高校の時はあいつの嬉しそうな声を聞くたびに、また面倒事に巻き込まれるのか、と思っていたが今はあいつが嬉しそうに喋ってるのを聞くと楽しくなる。
あいつも少しは成長したんだよな・・・ 俺はあんまり変わってねぇや・・・
そういえば彼氏がいるとか言ってたよな・・・
どうだろうな・・・ もしハルヒが大人になってその彼氏と本気で付き合ってるのなら長く続くだろうな。
あいつの中学時代は付き合ったら彼氏と即別れるとか谷口が言ってたっけ?
でもあの様子じゃ、あいつも彼氏のことが好きってことだよな。
他人の幸せを邪魔するわけにもいかないし電話なんて出来ないよな。
あいつにはちゃんと彼氏がいて今は幸せにやっている。
それは変わらない事実なんだ。

もう思いきってハルヒを忘れてみようか。
今までもただの思い出としてだけ残しておく。
そして、新しく好きな人を作って頑張ってアタックしてみるか?
まぁ出来るかわからないけどな・・・ 何事も挑戦だ、当たって砕けてみせるさ。

『こんな優しい彼氏がいたら嬉しいのに・・・』
頭に浮かぶハルヒの友人の言葉。
本当に優しいのならば俺は昨夜ハルヒを放って帰らなかったはずだ。
ちゃんと最後まで面倒を見てやったならば本当に優しいやつ、と言われてもお世辞じゃないよな。
今じゃ少しだけ後悔している。少しでも長くハルヒの傍にいればよかった。
もっと話したいことだってあったし、しっかりと見たことがないハルヒの寝顔を見ておきたかった。
いや、変体チックだなコレは。

なんだかハルヒのことばかり考えてしまう・・・
本当に俺はハルヒが好きだったんだな・・・
今更自分の気持に気付くなんて遅すぎるが、こうして考えてみるとハルヒがどれだけ大きい存在だったことやら・・・
高校の時はあんなに近くに居たはずなのに、こんなにも遠い・・・
何もかも遅すぎたんだよな。

もうハルヒには手が届かないんだな。






そうだな、気分転換に映画でも見に行くか?
今面白いやつがやってるらしいぜ?
って俺はいったい誰に問掛けてるんだろうな。
一人が寂しいのは百の承知だ。

今は―――
午前六時か、まだまだ早い時間帯だな。
さすがに寝ないと体力がもたないが・・・寝れない。
寝る時間が勿体無い気もしていた。

そして何より。
ハルヒから電話がかかってくる事に少し、ほんの少しだけ期待していた。
あいつが電話してくるはずがない、そんな事はわかっている。

散歩しよう、このままじゃ憂鬱が晴れない。
冬場の散歩は中々無謀な挑戦でもある。
この時期の朝というのは神の嫌がらせと言えるほどに寒い。
夏が恋しくなるぜ畜生。

まぁ夏場は夏場で冬が恋しくなるのだが・・・
なんとも自分勝手だな。





ブツブツと寒い気温に文句を訴えながら散歩している。
現在時刻は八時。 着替えてから色々やって結局家を出たのは七時半頃。
そろそろ人間が目覚める時間帯であろう。
なんというか・・・ 目的地も定めないまま進むってのは面白いかもしれない。
いつの間にか昨日のショッピングモールに来てるしな・・・ あははははー・・・
笑い事じゃないって。 なんで俺はここに来たんだよ。
無意識ってのは恐い。

いや本当は無意識とかじゃないんだ。

俺はやるべき事があって今ここにいる。
断言しよう、別にあいつに会う気は無い。
確に会えたらいいなー、などという気持はあるが本来の目的はソチラではない。
第一あいつは本日絶対に家で苦しんでるだろうしこんな時間帯に出勤はまずないだろう。
ちゃっちゃと用事だけ済ませますかね。




俺は今、昨日ハルヒと久しぶりに会った喫茶店の前にいた。
既に開店しているようで、外からでも店内に二、三人ほどお客が確認できた。
朝早くから従業員も大変そうだな・・・

しかし大丈夫だ、安心しろ俺。
ハルヒは昨日のアルコールでグダグダだった。
多分今頃二日酔いで苦しんでるよな。
まだ絶対に出勤はしていないはずだ。
あれだけ飲んでたんだ、そう簡単に復活出来るはずがない。

俺の今回の目的は、昨日のツケのコーヒー代を支払いにくること。
さすがに払わないままってのはまずいよな。
だから先程散歩している時に思い付いたので昨日ぶりにまたこの場に来たわけだ。
今日以外の日に来てしまうとハルヒがいる可能性は高い。
やっぱり会うとなると気まずい雰囲気になりそうだもんな。
だからハルヒがいる可能性が低い今日を俺は選んだのだ。

よし、大丈夫だ、とっとと金を払って帰ろう。

「いらっしゃいませー」

店内で確認出来る店員は二名。二人とも女性か。
しかし確か昨日もいたような気がするぞこのレジやってる人。
俺が来たことをハルヒに報告されない事を祈ろう。

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2007/07/14 14:06 | Comments(0) | TrackBack() | ハルキョンSS『道』

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