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2024/04/24 19:29 |
ハルキョンss『With two people3』
  
何故かハルヒは頬を紅色に染めて、そっぽ向いてしまった。

「はっくしゅんっっ!!!」

毛布が装備欄から外れたら、すぐにくしゃみが出た。
寒すぎるな・・・ 毛布が無いだけでこうも変わるのか。

「やっぱあんた寒いんじゃない」
「寒くねえよ」
「鼻水たれてるわよ」

急いで鼻の下を探ってみたが何もなし・・・

「嘘かよ・・・」
「しょうがないわね」

毛布を這おったバスタオル一枚のハルヒがこちらに向かってきた。
なんだ?

「ぶぉっっ!?」

ハルヒは俺の隣に座って毛布を広げて寄り添ってきた。
毛布は俺とハルヒを這おい、かなり密着している。
肩ら辺には異様な柔らかい感触が当たり、男の本能が目覚めそうだった。
更にハルヒは頭を俺の肩に乗っけているので、ハルヒの吐息の音まで聞こえる。
こいつには恥ずかしいという感情が無いのか・・・?

「ハルヒ、お前いいのか?」
「何が?」
「俺なんかと密着して・・・」
「風邪なんか引いてもらったら、あたしが困るからね」
「だけど・・・」
「うるさいわよっ」

何よりハルヒの機嫌が良いのが気になる。
いつもより声が弾んでおり、本当に小さな鼻唄が聞こえる。

「あんた結構体温高いわね」
「そうかい」
「もっと近寄りなさいよ! 毛布からはみ出るじゃない!」
「これ以上は・・・  ってオイッ!!」

更にハルヒは俺の腰に手を回して完全に抱きついたような感じになっていた。
男女がこんな状態におかれたなば、どうなるか。
恋愛小説とかならば、ここから甘いシーンに入るのだろうが、俺にはできない。
相手はハルヒだぜ?少しでも変なことをすれば殺されるかもしれない。

「誤解しないでよ!?寒いから仕方なくよ?」
「へいへい」

しかしここまで女性と密着したのは初めてだ。
さすがに妹でもこんなにくっつかない。
断じてシスコンではないからな。

「眠いわね・・・」
「さすがにその姿で寝るのはまずいだろ」
「なんとかなるわよ。 キョン動かないでね」
「何でだよ・・・」
「毛布がズレルから!」

漫画やドラマならば
『動かないで目をつむってくれ』
とか良く聞くんだが現実は厳しいな。
まぁハルヒだし、しょうがないと言えばしょうがないがな・・・

そういえばハルヒと二人っきりになるなんて久しぶりだな。
最近は団活多くて市内探索の回数も増えてきてやがる。
しかし、いくら市内探索をしようが俺とハルヒが同じ班になることは無い。

「なぁハルヒ、正直なところ誰か好きなひ・・・」
「スー スー スー・・・」

いつの間にか隣でハルヒは寝ているようだ。
いつもじゃあんなハルヒだが、今は凄く可愛い寝顔をしてやがる。
こんな状況なのに、無防備で・・・
俺のストッパーが効かなかったら確実に襲ってたな。
しかし・・・ なんて幸せそうな寝顔だ。
写真ぐらい撮っとくか。





助けが来ずとも、ハルヒが望めば一生は暮らしてゆける。
俺と・・・ハルヒが・・・二人で・・・
ずっとここで・・・







「いかんいかん」
寒さのせいか気が保たれない。
俺も疲れてるのかな・・・
早めに寝よう。




「二人で・・・」






次第に暖まる部屋のど真ん中のソファーで、ゆったりと眠る女性。
俺はどうやらかなり気になるようだ。
一生、二人で生活・・・ 悪くは無い。
最高か、と言われれば最高まではいかない。
だけど・・・



「ハルヒ・・・」








何故俺は今ハルヒをマジマジと見ているんだ・・・?
わからない。 わからない。

視線が勝手にハルヒの方向にいってしまう。

なんでだろう。
ハルヒ以外が全て真っ白になっている。
ハルヒにしか色が無い。





大切なんだろ・・・か・・・?

大切・・・

なら、やる事あるよな。

大切な人を傷付けたくない・・・よな。

助けないと。

俺が引金となってハルヒを巻き込んでしまった。

俺は、ハルヒが、

『大切』なんだもんな。

絶対に救ってやる。
命の恩人のために。

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2007/04/18 17:08 | Comments(0) | TrackBack() | ハルキョンss『With two people』

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