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2018/05/21 02:19 |
With two people6
 
「申し訳ございません」
いつの間にか俺は地面に頭をついて土下座していた。
別にハルヒ以外の人には見られていないので気にすることはないが。
無意識って怖いな。
「うぅ、えっぐぅ・・・」
女性ってのは傷付きやすいんだな、改めて認識。
胸ってのは女性にとって一番重要な場所なんだよな?
まぁ、勿論ハルヒは貧乳なんかでは無い。
確実に大きい側だ。
「土下座なんてしないでよ・・・ えっぐぅ・・・ うぅ・・・」
「いや、許してくれるまでこのままだ」
「許さないけど止めなさい・・・」
「嫌だ」
「止めなさいってば・・・!」
「嫌だ」
「止めて・・・!」
「嫌だ」
「やめてよ・・・ キョンのそんな姿みたくない・・・」
「・・・」
いきなり声の張りが弱くなったので顔を上げてみると。
ハルヒはスキーウェアの袖で必死に涙を拭っているが、また泣き崩れそうな顔だった。
スキーウェアは昨夜暖炉の前に放置してあったので、今朝には完全に乾いていた。
で、ハルヒは毛布だけでいるわけにはいかないので、それを着ている。
正直そんな姿は凄く可愛かった。
もう何も言わずに力強く抱き締めてもよかった。
しかし悪くて殴られるかな。
「なぁ、ハルヒ。 俺は昨日お前に好きだって気持を伝えただろ? 俺はお前の胸に引かれ
たわけでは無いんだぜ? ハルヒが好きだ。 小さかろうが大きかろうがな」
ハルヒがビックリしたような表情でこちらを凝視している。
「・・・いじゃないの・・・」
「ん?」
ハルヒ、小さい声過ぎてよく聞こえなかった・・・
「なんて言った?」
「ちょっとかっこいいじゃないの、って言ったのよ・・・」
「そっか」
「何よ、褒めてあげてるのに・・・」
「今まで大泣きしてたやつに言われてもね・・・」
ちょっと意地悪してやりたい気分でもあった。
「う、うるさいわよ! バカキョン!」
ハルヒは涙を拭いながら笑って喋っていた。
やっと止まったか。
ハルヒは泣いて可愛いのだが、やはり笑っていたほうが可愛い。

「もう泣くなよ?」
「あんた次第よ」
「じゃぁ、お前の涙は俺が守ってやるよ」
「・・・」
「・・・ぅっ・・・?」


長い沈黙が流れる。
空気が凍結した。世界が死んだ。
そんな長い沈黙の後に先に喋りだしたのは、


「今のは駄目ね・・・」
「だな・・・」
意識して言ってみると失敗に終わるな・・・

「まぁいいわ。 今回だけは許してあげるわよ・・・」
「どうもありがとうございます」
「ねー、キョン?」
悪魔のようなハルヒの微笑みだった。
「なんだ?」
「あたしもよくわからないけどさ、こんな状況になって、皆のいたSOS団がやっぱり大切
だと思ったわ」
今更な発言だと思った。
かなり仲間思いなハルヒが何故今更俺にこんな事を言うのか。
「まぁ自分で作った部活だしな。いい事じゃないのか」
「うん、あのね・・・キョン・・・」
「ん?」
あんまりもじもじしないでくれ、可愛すぎる・・・
「・・・うん・・・えっとね・・・」
よく分からないがハルヒはかなり歯切れが悪かった。
団が大切という事は分かった。
で、なんだ?という話だ。





しかし俺たちは忘れていた事が一つだけある。

何かに気付いたようにハルヒは急に立ち上がり、
「しまった、フランペしたままほっといてたわ!」
「おいおい・・・」
たぶん、いや100%黒焦げだな。
ハルヒは逃げるかのようにキッチンに走り出した。
俺はソファーの上でまったりする事にした。
「何してんのよ、火事になって・・・ ってあら?」

キッチンには煙一つ無かった。
火も消えており部屋には何気にいい香りが漂っていた。
勿論俺が火を消したわけでは無い。
「あっれぇ・・・ おかしいわね」
フライパンの中身を覗いてハルヒは不思議そうに首を傾げていた。
俺も気になってハルヒの隣まで行くと、
「なんだこれ、どんな肉つかったんだ」
「多分飛騨肉だと思うけど・・・」
なんでこの冷蔵庫には高級食材が眠っているんだ。
まさか野菜も全て最高級か?
「うーん・・・ 飛騨肉って不思議ね」
そろそろ飛騨肉の状態を説明しようか。
別に魔法の肉ってわけでは無い。
やつ(飛騨肉)はフライパンの上で「ジューッ」と音を奏でてやがる。
しかもかなり美味しそうな焼き加減で。
つまり食べ頃にまでちょうど焼き上がっていた。
普通ならありえない話だ。
一時間程も強火のフライパンの上で肉を放置して焦げないはずがない。
理由なんて考える必要は無い。
百戦錬磨の探偵でも解けないが俺にはわかる。
簡単明快、ハルヒマジックだ。

「飛騨肉ねぇ・・・」
ハルヒはずっと首を傾げながら肉の名前を呟いていた。
相当不思議なんだろうな。
「まぁ結果オーライって事でいいじゃないか」
「うーん・・・ まぁいっか」
俺がハルヒの立場なら絶対
『いや、待て。もしかしたら有害な何かが』
とか言うかもしれん。
「でお肉はいいとしてキョン、ジャガイモ切ったの?」
「あぁ、すまん。 ひとつも出来てない」
「はぁ!? 使えないわねー・・・ もういいわよ」
ハルヒは戸棚に入っていた皿を二枚取り出して不思議なステーキを乗せた。
そして茶碗も取り出していつのまにか炊けていたご飯もついでいた。

「まぁステーキだけで十分でしょ。 そこそこ大きいし」
「だな」
ずっと部屋にいるので動いておらずそこまで腹は減っているわけでは無い。
「何か不満?」
何か嫌な睨み方をするハルヒ。
ヤクザが『金出せや』って言ってもこの睨みなら『す、すいません』って感じになるかも
しれん。
「いや、不満なんてないぞ」
「あっそ」
あっそ、って・・・
なんだよ、睨みつけには意味あるのか?
女性があんまりそういう顔しないほうがいいぞ。
「あのなハル・・・」
「冷めないうちに食べましょう」
俺の意見が取り入れられる事はやはり無かった。
「あぁ、もういい。 いただきます」
「あっ、ズルイわよ先になんて」
「ん、美味しいな」
「ふふふ、腕によりをかけた最高傑作よ、心して味わいなさい」

ううむ、美味しい。
さすがハルヒというべきか、料理も才能あるんだな。
いや、肉が良いだけか?

「やっぱり飛弾牛は普通の肉と違うな」
今までこんな高級な肉食べたことなかったしな。
もう柔らかい柔らかい。
「何? 肉が良いやつだから美味しいっていいたいの・・・?」
また勘違いをしようとしているやつがいる。
しかし意地悪したいモードの俺は、
「ん、あぁ、そうだ・・・な・・・  いや、違っ!! ハルヒは料理上手いから! おかげ
で美味しくなったんだ!」
「・・・うぅ」
意地悪したつもりが、今ではした本人が後悔している。
誰かこの状況を一瞬で変えれるやつはいないか・・・?
ハルヒが再び目に涙をためている・・・
まさかハルヒがここまで涙モロいと思わなかった・・・
いつもはあんなに強気なのにな。
「くくくっ・・・」
何故か微笑が漏れた。
余裕があったんだ、今回は。なんとなくハルヒは全て許してくれる気がした。
それに気付いたハルヒは怒ったような口調で、
「女の子泣かして楽しいわけ!? あんた最低っっ!!」
「いやな、ハルヒって意外と泣き虫なんだなって思ってな」
「なっっ・・・!!」
ハルヒは顔を真っ赤にして机に置いてあった籠から林檎を取り出して俺に全力投球してき
た。
「ハルハルー、こんなもんかー?」
俺は近距離にも関わらず豪速球の林檎を片手でキャッチした。
正直取れる気はしなかったがなんとか、な。
「その名で呼ぶんじゃないわよ!!」
学園祭のENOZに影響されてやり始めたSOS団バンドの練習途中に生み出された『ハルハ
ル』というあだ名。
ハルヒはこれを何故か嫌うようで、たまに俺がこの名を使うと100%の確率で腹を殴られ
るかな。

ハルヒの顔は三原色の赤だけをどんどんと高めてゆく。
とりあえずナイスキャッチした林檎を机に転がした、
刹那。

「ぐはぁっっっ!!」
視界に一瞬だけ入ったオレンジ弾は俺のデコに直撃した。
そして
ドスゥゥンッ!
勢い余って椅子から転落。

「いったぁ・・・!!」
「油断大敵よ。 やっぱり弱いわねキョン君は」
「うるせえ、不意打ちじゃねえか」
「関係無いもんね。あたしに喧嘩売ったならば結末は出さないとね。勿論あたしは負ける
気は無いわよ」
「卑怯くせぇな・・・ なら俺も攻撃するからな」
「ふーん、キョンって好きな人にも手を出すの?しょせん男なんて自分勝手な生き物よ
ね」
「む」
少しムカッときた。
男全てを自分勝手、みたいな言い方だ。 世の中にはいい男からクズな男までと色々存在
する。
それを全てまとめて自分勝手。

ハルヒにだけは人間として言われたく無いがな。
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2007/04/19 15:49 | Comments(2) | TrackBack(0) | ハルキョンss『With two people』

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コメント

フラッペ:frapper(フランス語)
1.氷で冷やした飲みもの
2.果汁やすりつぶした(ピューレ)果肉を凍らせたもの
3.牛乳、生クリーム、卵白、シロップなどで作られた、生クリームのような冷たいデザート
4.かき氷

フランベ:franbe(フランス語)
肉などを焼く時、焼き上がりにブランデーなどをかけて火をつけて燃やし、アルコール分をとばして肉などに風味をつける方法。またはその方法を用いた料理。
posted by まいのんat 2007/04/20 10:06 [ コメントを修正する ]
ご報告感謝です;;
すいません訂正しておきました。
posted by フェンat 2007/04/22 14:42 [ コメントを修正する ]

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