再び椅子に着席してナイフとフォークを手に取った。
「あのな、ハルヒ。 世の中にはいろんな男がいる。 もしかしたら今のでキレるやつだっているかもしれない。 口調には気をつけた方がいいぞ」
「ふーん。 で、キョンはキレないの?」
俺としては無意味な事はしたくないと思っている。
しかしこいつには、一度本気で怒ってやった方がいいか?
なんだか俺を甘くみすぎてる気がする。
「まぁ怒らないところがまたキョンの長所かもね」
しかし怒れないのが俺だった。
怒れるはずがない。
ハルヒに辛い顔をさせたくない、悲しむ顔をさせたくない。
「さすがに俺だってキレる事ぐらいあるぞ?」
「あたしもだけど?」
ハルヒがキレるのか・・・
世界に設置された超巨大なダイナマタイトが一気に爆発するんだろうな。
まあそんな事ないように俺が頑張ろう。
「ハルヒ、とりあえずさ飯食おうぜ」
「ん、そうね。 冷めたら固くなっちゃうしね」
まぁ今でもなかなか冷めてるのですがね。
しかしまぁ冷えていてもハルヒの作った飯は美味しかったんだがな。
しかし一つだけ気になる点がある。
救助隊が来ない。
さすがに一緒にきた連中も俺たちが遭難していることぐらい気付いているだろう。
あのヒューマノイドインターフェイス長門有希までいるのにな・・・
長門が『迎えにきた』と玄関に立っていても俺はまったく驚かなくなったが、ハルヒは驚くだろうな。
いや、普通ならそんな展開になってるかもしれない。
何故誰一人として救助に来ない・・・
ハルヒが帰りたいと望めば一瞬でなんらかのアクションがあってすぐに帰れるだろう。
「ハルヒ、お前帰りたいと思ってるか?」
「何よいきなり。 そりゃ帰りたいわよ」
ならば既に俺たちはホテルの部屋で休憩してるかもしれん。
「ちょっと外見回ってみる。もしかしたら近くに誰かいるかもしれないし」
いきおいよく椅子から立ち上がり走り出そうとした瞬間。
「そんなのダメよ!!」
ハルヒが怒鳴った。
突然予期せね事態に驚く俺。
「理由はなんだよ。 お前本当は帰りたく無いんだろ?俺は皆の所に帰りたい」
「それは帰りたいわよ! 今外出たら危ないじゃない!」
「別に死ぬわけじゃないし大丈夫だろ」
「ダメよ・・・ そんなの・・・ まだ・・・」
気付かぬうちにハルヒは俺の裾を握り締めていた。
女性とも思えぬ力のせいで動けん・・・
しかも涙声になってやがる・・・。一体なんだってんだよ・・・
「なぁハルヒ。 信じろ、死にはしない」
「違うわよ・・・」
「じゃあなんだよ」
「行かないでよ・・・」
ハルヒは俺と目を合わせずうつ向いたまま俺の裾を握っていた。
どんどんとハルヒの手は俺の手首に掴み始めていた。
物凄い力で。
「どうしたんだよ一体・・・」
「お願い・・・ 行かないでよ・・・」
確に外は豪雪状態だから危ないといったら危ないが、死ぬ確率なんて一桁ぐらいだ。
ハルヒがここまで俺を止める理由・・・
「お前はまだこんな所で生活し続けたいのか? 誰もいない二人だけで・・・ しかももう片方は俺だぜ? お前だって嫌だろ」
言ってる自分が悲しくなってくるが、しょうがない。
「いいじゃない・・・ 食材も何故か減らないしお風呂だってあるのよ・・・? もう少しぐらいここで生活しても・・・」
とてもハルヒらしくない声だった。
張りの無い、今にも潰れそうな弱々しい声。
食料なんて問題じゃない。
お風呂なんてどうでもいい・・・
「二人っきりだぞ!? いつ俺の理性が狂うかすらわからない。 いつ俺がお前を殺すかなんてわからない。 いつ俺が死ぬかなんてわからないんだぞ!? 大体俺は居ても邪魔者だ。 ただたんにお前の仕事を増やしてるだけの邪魔者だぞ! そんな俺はハルヒに何も出来ない・・・ 使えない人間なんだよ・・・」
全て言い切ったところでやっと落ち着いた。
使えない人間。
今の俺には一番合っている称号かもしれない。
何もかもハルヒに任せっぱなしだ・・・
「違いの・・・」
ハルヒがボソッと呟いた。
違う? 何が?
「あんたが役にたつかたたないか、なんてどうでもいいの・・・」
「それはただの邪魔者って言いたいのか?」
「傍にいてくれるだけで、あたしはいいの・・・」
時間が一瞬止まった。
「あのな、ハルヒ。 世の中にはいろんな男がいる。 もしかしたら今のでキレるやつだっているかもしれない。 口調には気をつけた方がいいぞ」
「ふーん。 で、キョンはキレないの?」
俺としては無意味な事はしたくないと思っている。
しかしこいつには、一度本気で怒ってやった方がいいか?
なんだか俺を甘くみすぎてる気がする。
「まぁ怒らないところがまたキョンの長所かもね」
しかし怒れないのが俺だった。
怒れるはずがない。
ハルヒに辛い顔をさせたくない、悲しむ顔をさせたくない。
「さすがに俺だってキレる事ぐらいあるぞ?」
「あたしもだけど?」
ハルヒがキレるのか・・・
世界に設置された超巨大なダイナマタイトが一気に爆発するんだろうな。
まあそんな事ないように俺が頑張ろう。
「ハルヒ、とりあえずさ飯食おうぜ」
「ん、そうね。 冷めたら固くなっちゃうしね」
まぁ今でもなかなか冷めてるのですがね。
しかしまぁ冷えていてもハルヒの作った飯は美味しかったんだがな。
しかし一つだけ気になる点がある。
救助隊が来ない。
さすがに一緒にきた連中も俺たちが遭難していることぐらい気付いているだろう。
あのヒューマノイドインターフェイス長門有希までいるのにな・・・
長門が『迎えにきた』と玄関に立っていても俺はまったく驚かなくなったが、ハルヒは驚くだろうな。
いや、普通ならそんな展開になってるかもしれない。
何故誰一人として救助に来ない・・・
ハルヒが帰りたいと望めば一瞬でなんらかのアクションがあってすぐに帰れるだろう。
「ハルヒ、お前帰りたいと思ってるか?」
「何よいきなり。 そりゃ帰りたいわよ」
ならば既に俺たちはホテルの部屋で休憩してるかもしれん。
「ちょっと外見回ってみる。もしかしたら近くに誰かいるかもしれないし」
いきおいよく椅子から立ち上がり走り出そうとした瞬間。
「そんなのダメよ!!」
ハルヒが怒鳴った。
突然予期せね事態に驚く俺。
「理由はなんだよ。 お前本当は帰りたく無いんだろ?俺は皆の所に帰りたい」
「それは帰りたいわよ! 今外出たら危ないじゃない!」
「別に死ぬわけじゃないし大丈夫だろ」
「ダメよ・・・ そんなの・・・ まだ・・・」
気付かぬうちにハルヒは俺の裾を握り締めていた。
女性とも思えぬ力のせいで動けん・・・
しかも涙声になってやがる・・・。一体なんだってんだよ・・・
「なぁハルヒ。 信じろ、死にはしない」
「違うわよ・・・」
「じゃあなんだよ」
「行かないでよ・・・」
ハルヒは俺と目を合わせずうつ向いたまま俺の裾を握っていた。
どんどんとハルヒの手は俺の手首に掴み始めていた。
物凄い力で。
「どうしたんだよ一体・・・」
「お願い・・・ 行かないでよ・・・」
確に外は豪雪状態だから危ないといったら危ないが、死ぬ確率なんて一桁ぐらいだ。
ハルヒがここまで俺を止める理由・・・
「お前はまだこんな所で生活し続けたいのか? 誰もいない二人だけで・・・ しかももう片方は俺だぜ? お前だって嫌だろ」
言ってる自分が悲しくなってくるが、しょうがない。
「いいじゃない・・・ 食材も何故か減らないしお風呂だってあるのよ・・・? もう少しぐらいここで生活しても・・・」
とてもハルヒらしくない声だった。
張りの無い、今にも潰れそうな弱々しい声。
食料なんて問題じゃない。
お風呂なんてどうでもいい・・・
「二人っきりだぞ!? いつ俺の理性が狂うかすらわからない。 いつ俺がお前を殺すかなんてわからない。 いつ俺が死ぬかなんてわからないんだぞ!? 大体俺は居ても邪魔者だ。 ただたんにお前の仕事を増やしてるだけの邪魔者だぞ! そんな俺はハルヒに何も出来ない・・・ 使えない人間なんだよ・・・」
全て言い切ったところでやっと落ち着いた。
使えない人間。
今の俺には一番合っている称号かもしれない。
何もかもハルヒに任せっぱなしだ・・・
「違いの・・・」
ハルヒがボソッと呟いた。
違う? 何が?
「あんたが役にたつかたたないか、なんてどうでもいいの・・・」
「それはただの邪魔者って言いたいのか?」
「傍にいてくれるだけで、あたしはいいの・・・」
時間が一瞬止まった。
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コメント
無題
ちがいの
posted by 名無しさんat 2008/01/06 02:26 [ コメントを修正する ]